クーリング・オフとは、申込書面または契約書面を受取った日から、その日を含めて8日間は、お客様が一切の不利益を被ることなく、無条件でその申込みを撤回又は契約を解除することができる制度です。

訪問販売は、お客様が店に出向いて買い物をするのと異なり、受け身の立場で契約をしますから、意思が明確でないままに契約することもあり得ます。また、販売のプロである販売員と、お客様とでは、知識や経験に差があることがほとんどです。
その差を埋めるために、消費者保護の制度が必要と考えられます。受け身の立場で契約してしまった内容について、じっくり考える期間を与えるための制度として、このクーリング・オフ制度が特別に設けられたのです。「頭を冷やす」期間ということです。

◆クーリング・オフの方法
お客様は、申込書面または契約書面を受取った日から、その日を含めて8日間以内に、ハガキ・封書などの書面で、申込みの撤回または契約の解除をする旨を書いて発信すれば(ポストに入れてもよいが、証拠を残すために郵便局の窓口で簡易書留などの手段を取れば確実)、クーリング・オフができます。なお、8日間を過ぎていても、クーリング・オフの行使を妨げるために、販売者が、クーリング・オフについての不実の告知をしたことによりお客様が誤認し、又は威迫したことにより困惑してクーリング・オフをしなかった場合は、販売者側からクーリング・オフ妨害解消のための書面が交付され、その内容について説明を受けた日から8日を経過するまでは、まだクーリング・オフすることができます。

◆クーリング・オフ後の処理
販売員が、独自の判断でその処理をすることはあまりないと思います。クーリング・オフは法律に基づく制度ですから、事業者として、以下のようなルールに則った手続きの仕方を決めておかなければなりません。お客様本位の制度であるということは、よく理解しておきましょう。

①事業者は損害賠償および違約金の支払いを請求することができません。
②既に商品がお客様に引き渡されている場合、その引き取り費用は事業者が負担します。権利の移転が既にされているときは、その返還に要する費用を負担します。
③お客様がその商品を使用していても、その使用利益を事業者は請求できません。
④サービスが提供され、又は権利の行使がなされたあとでも、金銭の支払いを請求できません。
⑤お客様から既に代金を受取っている場合は、速やかに全額を返還しなければなりません。
⑥サービスの提供又は権利の売買に伴い、土地又は建物、その他の工作物の現状を変更したときは、無償で元の状態に戻さなければなりません。
⑦「クーリング・オフできない」などのお客様にとって不利な特約は無効です。


◆クーリング・オフの適用除外

法律上の訪問販売に当たっても、クーリング・オフはできないと決められている場合があります。販売員としては、そのような場合についての知識を持っている必要はあまり高くないかもしれませんが、そういう場合がある、ということだけは知っておきましょう。なお、4.の場合については、消耗品を取り扱う販売員にとっては重要です。

 1.契約の締結後、直ちに行われることが通例であるサービスの場合(海上タクシー、飲食店で飲食させること、あんま・マッサージ・指圧カラオケボックスでその施設・設備を利用させること)
2.自動車の売買・リースの場合
3.契約の締結後速やかに提供されないと、消費者の利益が著しく害される恐れがあるサービスの場合(電気・都市ガス・熱の供給、葬儀)
4.その使用・消費により価額が著しく減少する恐れがある商品として政令で定めるもの(以下の①〜⑧)を使用し、又は消費したとき。ただし、販売業者が消費者にその商品を使用・消費させた場合は除きます。
①いわゆる健康食品、②不織布及び幅13㎝以上の織物、③コンドーム・生理用品、④防虫剤・殺虫剤・防臭剤・脱臭剤、⑤化粧品・毛髪用材・石鹸・浴用剤・合成洗剤・洗浄剤・つや出し剤・ワックス・靴クリーム・歯ブラシ、⑥履物、⑦壁紙、⑧配置薬
5.三千円未満の現金取引の場合

 

過量契約の解除とは(通常必要とされる分量を著しく超える商品等の契約解除〜第9条の2)→