この規定は平成16年の法律改正で追加されました。改正前は、訪問販売における「不実告知」や「重要事項の故意の不告知」は罰則等の対象となっていましたが、こうした違法行為があっても直ちにその契約を取消すことができなかったため、消費者を十分に救済することができないという状況でした。この規定では、事業者が不当な勧誘を行った場合は契約の意思表示の取消しができます。
◆取消しの対象となる勧誘行為
事業者の行った勧誘行為に「不実告知」または「重要事項の故意の不告知」があった場合に、取消しの対象となります。これらの勧誘行為によってお客様が「誤認」し契約の申込みまたは承諾の意思表示をした場合には、お客様はその申込みまたは承諾の意思表示を取消すことができます。
◆取消しの効果
契約が取り消された場合は、その契約は無効となり、最初からなかったということになります。事業者はお客様に受け取った代金を返し、お客様は受け取った商品を事業者に返すことになります。
なお、この規定の取消権は、お客様が誤認していたと気付いたときから1年行使しない場合、また、契約締結から5年が経過した場合は時効により消滅します。
訪問販売協会(第27条・第27条の2・第28条・第29条・第29条の3)→